エネ業界、水素ステ建設に迷い 「積極的」2社だけ…FCV普及不透明 (4/5ページ)

2015.2.2 06:40

 MIRAIは発売後1カ月の受注台数が、当初の年間販売目標の4倍に迫る1500台となるなど出足は好調だ。トヨタは、生産能力を17年に現在の4倍強の3000台に増強するほか、FCV関連の特許を20年までライバル各社に無償提供し、市場拡大を促す。

 安倍首相はMIRAIが首相官邸に納車された1月15日、ガソリンスタンドと同じようにセルフ式も可能にするなど規制緩和を加速する考えを示した。岩谷は、セブン-イレブン・ジャパンと組んで、コンビニエンスストアに併設した水素ステーションを15年秋から大都市圏を中心に順次開設、水素ステーションの多様化を進める。

 しかし、エネルギー業界の大部分の企業は慎重な姿勢を崩していない。2カ所の設置を決めた東ガス幹部でさえ「FCVの普及が1000台規模ではコストダウンにも限界がある。水素の製造や輸送の方法が確立できなければ、普及は難しいだろう」と不安を隠さない。

「FCVがどれだけ普及するかわからないのに、建設なんてできない」

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