政府は15年度中に4大都市圏で水素ステーションを100カ所程度整備する目標だが、現在設置されているのは全国でたった4カ所。大阪ガス幹部は「東京で集中的に整備して、その後、全国に広げるほうがよいのではないか」と指摘。石油元売り大手の首脳は「FCVがどれだけ普及するかわからないのに、建設なんてできない」と本音を漏らす。FCVと水素ステーションは、いわばニワトリと卵の関係といえそうだ。
トヨタが世界に先駆けて日本国内で発売したFCVは、ホンダが16年3月、日産自動車も17年にも発売する。これらFCVを生かすも殺すも水素ステーションの普及にかかる。政府のさらなる支援、今後のエネルギー各社の経営判断が改めて注目されている。(宇野貴文)