保険業界で代理店の存在感が高まっていることも規制が必要となった理由だ。乗り合い代理店は、店頭で保険商品を比べて選べる利便性から若年層を中心に評価され、保険の窓口グループなど大手4社の合計店舗数はこの5年で2倍以上に増えた。「規模が大きくなり、しっかりとした監督・指導の仕組みが必要になった」(金融庁)
一方で課題もある。代理店側からすれば体制整備に手間がかかって出店ペースが鈍り、保険業界を牽引(けんいん)してきた代理店販売にブレーキがかかる可能性がある。また小規模な業者を含めると代理店は膨大な数に上るものの、消費者の保護を図るためには実態をより正確に把握する実効性の高い検査が欠かせない。