上部団体の自動車総連が「6000円以上」と具体的な要求額を6年ぶりに設定。「ベア実施に力を入れすぎた結果、引き上げ幅が小幅で、中小などへの広がりを欠いた」(大手労組幹部)昨年の反省を踏まえた。
自動車業界は消費税増税後の個人消費の低迷で国内販売は苦戦しているが、円安による海外販売の採算改善が寄与し業績好調な企業が目立つ。春闘の相場形成に影響が強い自動車業界で高額のベアが相次げば、円安の恩恵が及んでいない中小や地方の企業にも賃上げが広がる期待がある。
自動車総連の相原康伸会長はこの日の記者会見で、「経済の歯車を何としても前に進めるという決意の表れだ」と述べ、2年連続のベアを実現しデフレ脱却を確かなものにしたいとの考えを強調した。年間一時金(ボーナス)についても、大手8社労組のうち4労組の要求が前年の妥結額を上回り、残り4労組が同水準となった。
自動車各労組は非正規従業員への対応も強化した。自動車総連によると、非正規は19万8000人に上り、全体の約2割を占めている。