トヨタ自動車労組は非正規の期間従業員の日給を300円引き上げるよう要求、月額で6000円程度の賃上げに相当する。具体額を明示しなかったマツダ労組なども正規従業員に応じた比率で賃上げを求めた。
対する自動車各社の経営側としても2年連続のベア実施には前向きな姿勢を示しており、トヨタなどは昨年の妥結額を上回る見通しだ。
営業利益が2兆7000億円となるトヨタなど、15年3月期は過去最高益を見込む企業が相次ぐ。賃上げを「経済の好循環」につなげたい政府の圧力も強い。
もっとも、経営側の本音は固定費が恒常的に増加するベアには消極的。好業績は円安効果も大きく、国内販売は苦戦。海外勢とのコスト競争も激しい。大手幹部は「6000円はかなり高めのボール」と打ち明ける。