ナノフュエルのナノエマルジョン燃料製造装置と松村健彦社長=川崎市川崎区【拡大】
エンジンの燃焼室内で噴射された燃料の温度が上昇すると、油滴内の水粒子が気化。体積が膨張し、水粒子周囲の油を分散させることで油滴全体を微粒化し、燃焼効率を高める。
PM(炭素質の粒子状物質)やNOxの削減効果が見込まれるため、50年以上前から世界中のエンジンメーカーなどが開発に取り組んできたが、その効果が不十分なうえ、エンジンへの悪影響に対する懸念や燃料製造の際に使われる界面活性剤が高価であることがネックとなり、普及しなかった。
同社のナノエマルジョン燃料は、水粒子をナノレベルに極小化することでより効果を高めたほか、保存安定性が向上した結果、界面活性剤の使用量を従来の10分の1程度に抑えた。既存の燃料タンクと燃焼設備の間に配置するだけなので設備投資のコストも抑えられる。