そうした性能向上に大きく寄与しているのが、最新の米国製観測センサーだ。米国の次期気象衛星に先駆け、世界で初めて搭載された。
もっとも、単に搭載するだけではセンサーの能力は十分に発揮されず、宝の持ち腐れとなってしまう恐れがある。というのも、衛星の姿勢がほんの少し崩れるだけで、デジタルカメラでいう手ブレが発生してしまうからだ。静止衛星は完全に止まっているようにみえるが、実際には姿勢制御装置のモーターなどからわずかな振動が生じる。太陽熱による「ひずみ」も、姿勢を狂わせる要因の一つだ。
三菱電機の磯部昌徳ひまわりプロジェクト部長は「姿勢を極力安定させ、観測センサーの性能を最大限に発揮させることが最も重要な仕事になった」と振り返る。
姿勢のブレを防ぐには、衛星本体での対策が欠かせない。8号では、制御装置モーターなどの振動を減らしたほか、構造にも手を加えた。
具体的には、観測センサーを台座に載せ、衛星本体から延びた背骨に当たる「セントラルシリンダー」と直結。台座には姿勢の状態を検知する各種センサーを取り付けた。これにより、姿勢の安定性が格段に増した。台座の素材には、太陽熱に耐えられる炭素繊維強化プラスチックを採用、耐久性も高めた。