トラブル乗り越え計画通り打ち上げ
1978年の初号機打ち上げ以来、国民に身近な存在として親しまれてきたひまわりだが、2003年には後継機の打ち上げが失敗し、観測が途絶えそうになったことがある。このときは、当時運用中だった5号が寿命を越えて観測に当たったほか、米国の気象衛星を借り受け、西太平洋上空まで移動してもらうことで、約2年の不在をしのいだ。
現代の気象予測はスーパーコンピューターを用いた高精度なものになっているが、肝心の観測データがなければ、まともな予測ができなくなってしまう。
ひまわり8号の製造でも予期せぬトラブルに見舞われた。特に観測センサーの性能を認定する試験が遅れ、衛星本体の製造スケジュールにしわ寄せが及んだことは大誤算だった。
ただ、その後は製造担当者らの頑張りもあって後れを取り戻し、最終的にはほぼ計画通りに打ち上げることができた。
8号は3月まで試験を行い、夏をめどに7号と交代する予定だ。画像データは日本だけでなく、アジア太平洋地域の30カ国以上に提供される。さらに16年には9号の打ち上げも決まっている。製造を担うのは、やはり三菱電機だ。
「時間との戦いで、完成までの1年は現場にも休み返上で頑張ってもらった。まだ試験中で苦労は続くが、こうした苦労の積み重ねが次につながる」。磯部プロジェクト部長はそう強調する。(井田通人)