【シリーズ 産業未来】国際石油開発帝石(上)(4-3) (1/4ページ)

2015.3.10 05:00

13年末に完成した直江津LNG基地(新潟)。年150万トンの受け入れ能力を持つ

13年末に完成した直江津LNG基地(新潟)。年150万トンの受け入れ能力を持つ【拡大】

 ≪ガスサプライチェーンと再生エネの強化≫

 ■総延長1400キロ、パイプライン網拡充

 国際石油開発帝石(INPEX)が2020年代に向け示した「INPEX中長期ビジョン」の中で掲げた成長目標は、国内外における石油や天然ガス開発といった『上流事業の拡大』だけではない。自社が保有する海外ガス資産と国内ガス市場を有機的に結び付ける『ガスサプライチェーンの強化』や、『再生可能エネルギーの取り組み』も強化する方針だ。北村俊昭社長は「これら3つの成長を通じて、中長期目標の実現を目指す」と語る。

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 INPEXの国内での天然ガスの生産量は日量約360万立方メートル。国内販売量は14年3月期で17億9000万立方メートルだ。これを「INPEX中長期ビジョン」では20年代前半に年25億立方メートルに、長期的には30億立方メートルにガス供給を増やすことを目指している。

 ◆国内最大級の「南長岡」

 国内の天然ガス生産の中心は、オペレーター(操業主体)として国内最大級の生産量・埋蔵量を誇る「南長岡ガス田」だ。新潟県長岡市の南西約10キロに位置し、1984年から天然ガスとコンデンセート(特軽質原油)の生産を開始。実に30年以上にわたり安定的に生産してきた。生産量は天然ガスが日量1億2300万立方フィート、コンデンセートが日量約3100バレル。生産された天然ガスは越路原プラントと親沢プラントで精製・処理されている。

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