日本にこだわらない日立の覚悟 地域・事業分野に応じて本社機能を“移管” (2/4ページ)

2015.3.25 06:35

日立製作所が初公開した英国向け高速鉄道車両=山口県下松市の同社笠戸事業所

日立製作所が初公開した英国向け高速鉄道車両=山口県下松市の同社笠戸事業所【拡大】

 09年3月期決算では、国内製造業では過去最悪の7873億円という巨額最終赤字を計上した日立は、いまや電機大手で初の売上高10兆円を視野にいれる。その実現の鍵となったのが、社長の東原敏昭が掲げる「自律分散型グローバル経営」だ。

 2月24日、買収合意後の会見を終えたドーマーは、伊経済開発相のフェデリカ・グイディを中央に、フィンメカニカCEOのマウロ・モレッティと笑顔で握手を交わした。週を空けずにフィンメカニカ幹部との交渉を重ね、密接な関係を作り上げた成果だ。日立会長兼CEOの中西宏明は「世界市場で受注をとれるようになった」と高く評価する。

 国内意思決定の弊害

 自律分散型グローバル経営は、海外事業を今後の成長の源とする日立の経営戦略の柱の一つだ。プラント事業では昨年、シンガポールに東南アジア事業を統括する「日立インフラシステムアジア」を新設した。産業プラントやエネルギー、水処理などアジアのインフラ関連事業は、同社が取り仕切る形だ。

日立は従来、日本の事業会社が国内外の案件に関する意思決定を行い…

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