日本にこだわらない日立の覚悟 地域・事業分野に応じて本社機能を“移管” (3/4ページ)

2015.3.25 06:35

日立製作所が初公開した英国向け高速鉄道車両=山口県下松市の同社笠戸事業所

日立製作所が初公開した英国向け高速鉄道車両=山口県下松市の同社笠戸事業所【拡大】

 日立は従来、日本の事業会社が国内外の案件に関する意思決定を行い、海外の事業法人はその指示を仰ぐだけだった。日立常務の酒井邦造は「現地法人のトップであっても、案件は東京から来るという後ろ向きの意識にとらわれがちだった」と打ち明ける。

 日本にも、現地での駐在経験を持つ社員は多い。ただ、国内のみで意思決定を行う態勢では、「日本の発想でしかものを伝えられなかった」(酒井)という弊害もある。

 海外事業の収益が国内事業を上回る中で、海外の実態に即した経営判断をより迅速に下すためには、日本の本社という枠からの脱却が不可欠だった。

 また、中国でシェアトップクラスをほこる昇降機事業は、現地法人の日立電梯をアジア戦略の核に据え、自律分散型グローバル経営を推し進める。常務の池村敏郎は「いずれアジア全体をみる土台にしていく」と打ち明ける。

 世界4地域に総代表

 日立は4月1日から、欧州▽中国▽アジア▽米州-の4地域に、それぞれ総代表を置く新しい経営体制に変わる。エリア内の各事業分野を統括し、日本の本社を通さずに経営判断できる新しい制度だ。鉄道部門の成功を踏まえ、さらに「自律分散型グローバル経営」を推し進める狙いだ。

新体制に先立ち昨秋には、管理職を対象に…

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