「これで、この会社も『まとも』になりますね」
3月27日の株主総会で、創業家長女の大塚久美子社長に「軍配」が上がった大塚家具。総会後、久美子社長とひそかに接触したメガバンク幹部は、こう言って勝利を祝した。
「まともになる」という表現を使ったのには訳がある。今回の父娘対立劇では、同社のコーポレートガバナンス(企業統治)のなさが批判の的となったからだ。ある証券アナリストは「最も責められるべきは、経営陣へのチェック機能を果たさなければならない社外取締役が、内紛を抑える防波堤になれなかったことだ」と指摘する。
大塚家具が社外取締役を導入したのは平成20年。当初は1人だったが25年には3人へ増やすなど、取り組みはむしろ先進的だった。だが関係者によると、創業者で父親の大塚勝久氏は「社外取締役は経営など分からない」と公言。アドバイスに耳を貸さなかった。
社外取締役は昨年7月の久美子社長解任も止めることができず、遺恨が残って騒動は泥沼化。「結果的に、社外取締役は、いてもいなくても同じだった」(証券アナリスト)。
今回の株主総会を経て発足した新体制で、久美子氏は社外取締役をさらに6人まで増やした。顔ぶれは百貨店の元取締役や金融機関出身者など。ただ、久美子氏自らスカウトした人材もおり、どこまで独立性を担保できるかが課題となる。
社外取締役制度は、安倍晋三政権の成長戦略の目玉政策の一つだ。企業経営の透明性を高め、海外からの投資を呼び込んで株価の上昇につなげる狙いもある。