東海道新幹線の速度向上の歴史【拡大】
これを解決したのが2007年デビューのN700系に搭載された「車体傾斜システム」。空気の力で車体を傾け、カーブを高速で通過するものだ。
今回の285キロ化では13年に導入したN700Aなどを対象に、付属の空気タンクを増設。車体を傾ける区間を従来の約2倍に増やすことで時間短縮につなげた。
もう一つの新技術が「中央締結ブレーキディスク」。従来と比べて15%ブレーキ力を向上させ、地震など緊急時でも270キロ走行と変わらないブレーキ性能を保つ。
このほか、騒音軽減や線路の改良など「全系統の総合力」(同社)で高速化を実現した。2年半行われた走行試験は110回、距離では地球1周分を超える4万3000キロに上る。