電源構成は、年末にパリで開かれる第21回国連気候変動枠組み条約(COP21)に向け、日本としての温室効果ガスの排出抑制目標を決める前提にもなる。日本の13年度の温室ガス排出量は、前年度比1・6%増の13億9500万トンと過去最大に達した。これも発電時に温室ガスを出さない原発の停止が響いている。
欧州連合(EU)は日本がどこまで高い削減目標を打ち出すのかを注視している。そうした中では、液化天然ガス(LNG)より二酸化炭素の排出量が2倍多い石炭火力の大幅な増設は見込みにくい。
仮に30年時点で石炭比率が現在と同じ約3割だとした場合、原発も2割程度は最低でも必要となる。これを基準に電源構成の比率を判断することが現実的だろう。
問題は民主党政権時代に改正された原子炉等規制法だ。同法は原発の運転期間を原則40年とし、特別な審査に合格すれば、最長60年まで運転延長が可能とした。だが、「原則40年」を厳格に適用すると、30年時点で原発比率は15%程度に下がる。このため、2割超の原発比率の維持には運転延長が不可欠となる。