それだけにスカイマーク社内にはANAHDの経営関与に対する警戒感が根強い。インテグラルが出資の過半数を確保する一方、ANAHDが経営陣刷新後の社長を出すという合意は、両社のバランスに配慮した形だ。
インテグラルの佐山展生代表は22日の記者会見で「(ANAHDとは)今や『同じ船』に乗っている。全く違うステージへ、一緒にこぎ出す」と協調する姿勢を示した。主導権争いを演じた両社の信頼関係の醸成が、スカイマーク再建の鍵となる。
ある航空業界関係者は「航空のプロのANAHDが支援すれば、スカイマークの収益力改善が期待できるのは確かだ」と評価した。その一方で「スカイマークがエア・ドゥのような道をたどることを、インテグラルは望んでいないだろう。要所でANAHDを牽(けん)制(せい)するはずだ」とも指摘した。主導権争いの火種はなおくすぶっており、両社の神経戦は今後も続く恐れがある。