□小野寺正KDDI会長
■ドコモの「光」販売は利益相反
--NTT民営化後、通信市場は大きく成長した
「通信業界の競争政策は本当に国民が望んでスタートしたのだろうか。国鉄民営化のように、国民が『NTTは民営化しないと駄目だ』と考えていたら競争政策の必要性が理解されやすかった。日本電信電話公社のサービスが悪かったわけではなく、政治主導で民営化が決まった。それを受けた郵政省(現総務省)が競争導入で一枚岩だったかどうかは疑問だ」
--NTT民営化とほぼ同時に退職して第二電電(DDI=現KDDI)に入社した
「当時の電電公社内は真藤恒総裁以外、民営化には反対だった。真藤さんはNTTを地域分割すべきだという考えがあったが、郵政省にそこまでの意識があったわけではない。社内では私も含めて、民営化されると役所と力関係が変わり官僚が事業に介入してくるという危惧があった」
「1983年にNTTの先輩で先にDDIに入った千本倖生さんに誘われたとき、計画していたマイクロ波による基幹網構築を『全部任せてくれるなら』という条件で転職を決めた。翌年の連休明けに私を含めてNTTの技術系社員5人が同時に辞表を出したので社内は大騒ぎになった」
--NTTグループが光回線を企業に開放し、新サービス創出の触媒役を目指すという
「私はNTT分社直後の2000年にNTTのアクセス系光回線を開放すべきだと主張した。NTTが始めた光サービス卸はそれに近いことだ。光回線の重要性は大きくなっていく。KDDIの光サービスの通信速度は2ギガビットだが、そのうち10ギガビットになる。4Kの高精細動画の端末が普及すれば光回線の必要性がさらに高まる」