日向幹線の建設地は非常に険しい場所が多く、集中豪雨により土砂災害が発生する危険性も高いため、九電は新たな敷地保全対策を迫られていた。
こうした中、九電が注目したのが、環境緑化が開発した「くりんかロード工法舗装」。石炭火力発電所から発生する石炭灰を原料にセメントと配合し、雨水を透水する層と保水する層の二重構造を一体的に舗装する。表面層は雨水を透過し、保水槽に誘導。ここで雨水をためながら余剰水は地中に浸透させる。保水能力は体積の50%という。
同社が手がけてきた市街地での舗装工事は全て九州で、しかも九電とその関連企業との取引がほとんどを占める。
こうした実績に加え、新技術開発財団から助成を受けて実施した九電管内の山間部にある一ツ瀬幹線(宮崎県日向市)での実証試験から、くりんかロード工法舗装が傾斜面の敷地保全に経済性・耐食性・保全性において有効と判断。この技術をもつ企業が他にないため、九電は日向幹線の鉄塔敷地内の雨滴浸食防止工事を環境緑化に特命発注した。