シャープの高橋興三社長(右)とパナソニックの津賀一宏社長【拡大】
一方のシャープは液晶依存の経営から脱却できなかった。液晶事業の売上高が会社全体の3分の1以上となる1兆円規模を占め、安易に撤退できなかった事情もあるが、液晶を普及させたことへの自負があったことは間違いない。「勝利」の成功体験が再び危機を招く皮肉な結果となった。
後追い成功するか
危機を脱却するためにパナソニックが選んだのがBtoBシフト。なかでも成長戦略の柱に据えたのが自動車関連事業だった。
自動車は今後、中国や東南アジアなど新興国で需要拡大が予想されることに加え、1度採用されると車種がモデルチェンジするまで数年にわたって安定した収益を確保できる。パナソニックは25年3月に車載重視を打ち出し、30年度の売上高を当時の約2倍の2兆円にする目標を掲げた。車載事業は好調で、V字回復の立役者となっている。
二匹目のドジョウを狙ったのか、シャープは新中期経営計画に液晶の車載向けシフトを盛り込んだ。営業態勢を強化し、26年度は14%だった液晶における車載など産業用比率を33年度には40%まで高めることを目指す。
ただ、パナソニックはもともとカーナビや車内AVなど「インフォテイメント」と呼ばれる分野や、車載用リチウムイオン電池がいずれも世界シェアトップで、車載にシフトできる土壌があった。