シャープの高橋興三社長(右)とパナソニックの津賀一宏社長【拡大】
ときに「冷徹」とも称される行動力で構造改革を断行。相次ぐリストラで社内の求心力低下が危惧されると、創業100周年に当たる30年度での売上高10兆円目標を設定。成長への明確なビジョンを示した。
一方、シャープの高橋社長は「社員が自らの判断で挑戦し、上からの指示を待たない。そういう企業風土に変えたい」との考えから、強権を伴う社長の指示を避けてきた。強烈なトップダウンで液晶事業への過剰投資に突き進んだ旧経営陣への反省からだが、事業部などの自主判断では、自らの身を切るリストラにはつながらなかった。
高橋社長の関係者からの評判は「いい人」だ。社員を大事にし、自身を「高橋さん」と呼ばせるなどフラットな組織づくりを目指した。そんな人間性に期待が集まっていたが、再び危機を招いたことで経営能力には疑問符が付いた。
新中計で5千人規模の人員削減を盛り込んだにもかかわらず続投する高橋社長には、社内の人心も離れつつあるといわれる。新しい中期経営計画に盛り込まれた再建策も固定費削減が目立ち、将来の成長に向けた確固たるビジョンを示せているとも言い難い。再び出直しのチャンスを得たシャープ。パナソニックのように復活を果たすことができるか。今度こそ最後の戦いが始まっている。