「K-ECOS」【拡大】
川崎重工がK-ECOSの開発に着手したのは08年で、完成まで約7年を要した。神戸工場で数人の開発チームからスタート。初めは基礎研究から開始し、小さな模型を作って、機能を検証した。次のステップで、実物大の試験エンジンを製造した。さらに、機能の検証と安全性を確かめてから、実際の船に載せた試験を経て、完成に至った。
コストメリットに強み
東田氏は「複数の装置で構成されており、それぞれをうまく機能させるのに苦労した」という。想定していたよりも課題が多く見つかり、「執念で作り上げたシステム」と話す。同社による評価試験では、SCRやEGRよりもコストメリットがずば抜けて高く、排ガスの削減と燃費向上をうまく両立させている。
すでに国内の造船所数社から、問い合わせが来ているという。今後は、同社が製造する2サイクルディーゼルエンジンに搭載され、川崎汽船が進める環境プロジェクトの一環として、ジャパンマリンユナイテッドが建造する大型自動車運搬船の主エンジンに導入され、約2年間の実船試験を行う予定だ。16年以降の3次規制が始まれば、K-ECOSの需要が増えるとみられ、社内の期待は大きい。
東田氏は「K-ECOSはこれまでにない画期的なシステムで、排ガスの削減と燃費向上で世界で一番効果が高い」と胸を張る。今後、日本の環境技術を海外にもアピールしたいという。(黄金崎元)