旭化成が昨年11月に量産を始めた水質検査用の深紫外LED【拡大】
強力な深紫外線を生物が浴びれば、DNAが破壊されてしまうほど危険な存在だ。研究者らは、逆にそうした性質を殺菌などに役立てられると考えた。
たとえば、水の浄化。水道の蛇口に深紫外LEDを組み込んだ殺菌装置を取り付け、光を当てれば、雑菌やウイルスの増殖を防げる。
「たまった水に光を当てれば現状でも数分で浄化できる。将来的には浄水場で大量の水を数秒で処理できるようにもなるだろう」(久世プロジェクト長)
これまでこうした用途では水銀ランプが用いられてきた。しかし、安定した光を出すのに時間がかかる上、膨大な電力を食う。水銀は人体に有害で環境汚染の原因にもなる。対して、深紫外LEDは省スペース、長寿命で電力コストも抑えられる。