旭化成が昨年11月に量産を始めた水質検査用の深紫外LED【拡大】
「基板材料に窒化アルミニウムを使っている。基板上に形成する薄膜も同じ材料なので、最も発光効率が高く、殺菌に適した260ナノメートルの波長を実現する上で有利だ」。久世プロジェクト長は自社製品の強みを強調する。
中韓の台頭許さず
ただ、この分野への参入を目指すメーカーは多い。ポンプや人工心臓を製造する日機装は、青色LED開発でノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇名城大終身教授と天野浩名古屋大教授に指導を受けつつ、約10年にわたって深紫外LEDを研究。今年5月には、検査装置用に加えて、殺菌や樹脂の硬化にも使える製品の量産に乗り出した。化学メーカーのトクヤマも、東京農工大などと試作を行い、来年の製品化を視野に入れる。
いずれ劣らぬ強力なライバルだが、旭化成の久世プロジェクト長は「有望となると多くの研究者やライバルメーカーが一気に集まるのが日本の良さ」と、こうした動きを歓迎する。