ポリ乳酸が、セラミックスのように圧電性を備えていることは以前から知られていた。
セラミックスではごわつくので服には向いていないが、ポリ乳酸は既に作業着などに採用されている。ただ、現状では植物由来で環境にやさしいエコな製品という位置付けだ。石油由来のポリエステルやナイロンに比べると、値段も高い。
世の中にポリ乳酸繊維をもっと浸透させるには、エコ以外の価値が必要。ポリ乳酸の持つ圧電性を活用した機能強化追求には、そうした要請もあった。
圧電ファブリックは、複数の織り方を組み合わせ、複数の動きを1枚の布地で再現することも理論的には可能。石原事業推進班長は「用途に応じて無数の使い分けができ、可能性は無限といっていい」と強調する。
例えば、東京の医師が圧電ファブリックの服を身にまとって手術の執刀を行えば、ネット経由で離島に置かれた“ロボット医師”を動かせる。日本の職人が握ったすしを世界に振る舞うことも可能だ。