特徴は、鍋と蓋の隙間が0.01ミリ以下という密閉性の高さを生かし、食材の水分だけでうま味を引き出せること。鋳物ホーローの保温性と遠赤外線効果との相乗効果も抜群だ。
販売面では、展示会やイベントでの実演を重視した。カレー作りなどを通じ、「他の鍋に比べて味が格別に良い」など、評判が徐々に口コミで広がった。一時は生産が追いつかず、購入まで1年3カ月待つほどの人気を博した。
想定外だったのが外国人バイヤーの反応だった。実演効果は抜群で香港、シンガポール、中国のほか、欧米からもメールで注文が入った。5月には英語版のオンラインショップを開設し、本格的な海外展開に乗り出した。
今後は生産態勢を強化し、16年度までに現在の3倍に相当する月産1万2000個を目指す。バーミキュラ事業の16年度の売上高は、14年度比で約2倍の21億円となる見通し。とりわけ海外向けの伸びは著しく、土方邦裕社長は「直販と代理店販売を合わせて、5億円を目標に掲げる」と語る。