昨年3月に設立され、腕時計のSPA(製造小売り)を手掛けるKnot(東京都武蔵野市)は、個性的で高品質な日本製の腕時計を1万円台から販売し、注文から購入まで1カ月待ちになるほどの人気がある。部品の一部は輸入品だが、動力部分は日本製で、時計の精度にとって最も重要とされる組み立てと最終検品は日本で行っている。
遠藤弘満社長は輸入腕時計の代理店業を営んでいたが、知人の外国人バイヤーから「300ドル(約3万6000円)以下で買うことができる高品質の日本製の腕時計が欲しい」と要望されたことをきっかけに、SPAに転じた。昨年7月に初出荷し、初年度生産分の5000本は5カ月で完売した。
ホームページやフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じたPR戦略を展開。今年3月には、東京・吉祥寺に初の直営店をオープンした。休日には200人が訪れ、順番待ちの人が行列を作るほどだ。外国人客について「ほぼ100%が購入し、1人で10本買う人もいる」(遠藤社長)と手応えを感じている。