ユニクロの秋冬物の売れ筋は、薄くて軽量ながら暖かい「ヒートテック」や「ウルトラライトダウン」などの高機能商品。同社は一つの商品で多色展開するのが特長だが、中国人らが好むのが赤や黄、緑といった目立つ色といい、心斎橋店では“爆買い”需要に対応し、他の地域の店舗よりもこうした色の商品を数多く取りそろえる。
米国のファッションブランド「FOREVER(フォーエバー)21」の大阪道頓堀店では外国人観光客の売り上げが7割を占め、今や日本人を上回る重要顧客に変わりつつある。同社広報は「日本で最も外国人観光客の売り上げが多い店舗の一つ」として同店を重視し、外国人客を積極的に取り込む考えだ。
心斎橋、道頓堀周辺ではもはやファストファッションが飽和状態にも見えるが、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「ここに行けばファストファッションの店があるというエリア自体の魅力向上につながる」と指摘。さらに、顧客の奪い合いで各店がしのぎを削る中、中国、韓国などからの観光客が増えていることで「アジアに向けた宣伝効果にもなる」として、外国人観光客を呼び寄せるメリットも挙げる。