目指すのは宿泊客の「安く快適に」と、ホテル側の「生産性を高くする」という双方のニーズを両立させることだ。不必要なサービスを削って効率運営することで低運賃を実現した格安航空会社(LCC)が普及した成功例から、同社はホテル界にも価格革命の波が押し寄せると想定。ロボットによる自動化を駆使するノウハウを蓄積することで格安ホテル(ローコストホテル=LCH)の実現を目指す。
実験の意味を込めて、このホテルは「ゼロ号店」とした。稼働率はあえて抑えて7月は6~7割、8月は9割。ただ、いずれも稼働分は満室状態という。
当初、宿泊料金は入札で決定していたが、部屋の予約が即決する最高金額(税抜き、1室1万2千~2万円)で入札する宿泊客が多かったことから、9月からは固定金額制(同、1人あたり6千~1万7千円)に変更する。
ロボットの限界
ただ、ロボットは事前に設定した内容しか対応できず、融通が効かないのが難点だ。誤作動したり、宿泊客の言葉を正確に認識できなかったこともある。このため変なホテルでは、ロボットによるサービスの随所に「おもてなしの心」を仕掛けてその無機質さの克服を目指す。