富士フイルムは、世界シェア7割を誇る偏光板保護フィルムの製造工程で、さまざまな省エネ技術を取り入れてきた【拡大】
空気を熱したり、冷やしたりを繰り返すのは効率が悪く、この過程でのエネルギー削減が課題だった。このため、富士フイルムの生産技術センターと生産部門は共同で検討を進めた。
その結果、加熱した空気のおよそ半分はそれまで通り冷却して溶剤を回収する一方、残り半分は循環させ、それほど温度が下がらないうちに再びヒーターで熱して乾燥に使うという省エネ技術を2009年度に実用化した。12年度までに、当時の新設分を含め、既存ライン全てに導入したという。同社環境・品質マネジメント部の喜島嘉彦統括マネジャーは「商品の品質を損なわないで導入することが重要だった」と強調する。
コスト削減とCSRの両立
一方で、当時は液晶テレビの需要が大きく、工場はフル稼働状態。現場には生産に影響を与えることを懸念し、新しい省エネ技術の導入に難色を示す向きもあったという。神奈川工場足柄サイトなどで導入を進めた、FPD材料生産部技術グループの鈴木祐次シニアエキスパートは「設備を入れてから『できませんでした』は許されない。理論上、絶対に大丈夫という所まで構築した」と当時の苦労を明かす。