東京で燃料を満タンにして、ひたすら西を目指して走る。東名高速、小田原厚木道路を走行後は高速を下り、箱根峠を越え、そこからは静岡から愛知にかけて断続的に伸びる長大なバイパス群を走行して琵琶湖のほとり、滋賀・草津に向かった。
ボルボが日本に導入した「D4」ディーゼルエンジンは欧州でもデビューからそれほど時間が経っていない新世代技術のもので、性能は190ps/400Nm。車両重量は1680kgと、同じミディアムクラスの欧州勢と比べても重量級なのだが、1250rpmで3リットル6気筒自然吸気ガソリンの最大トルクに匹敵する300Nm、1750rpmで4リットルV8ガソリン並みの4000rpmと、低速域から強大なトルクを発生させるエンジン特性がモノを言って、市街地から高速に至るまで、ボディの重量を意識させられることはほぼ皆無であった。
面白いのはアイシンAW製8速ATの仕様。通常、ディーゼルエンジンは低速域では強力だが回転の上限が概ね5000rpm前後とガソリンに比べて低いため、全般的にギア比を高め(回転数が低くてもスピードが乗る)に設定するケースがほとんどだ。