レクサスは9月に最上級SUV「LX」を国内市場にも投入した。今秋以降には、新型「RX」の発売も控えている。
「車高が高い『LX』は、クルマが停止したときにエンジンを切ると、乗り降りがしやすいように車高が50ミリ下がります。最新の空調システム『レクサス クライメイト コンシェルジュ』は、ボタンを押すだけで車内を一番快適な状態にしてくれます。乗車人数や車外・車内の温度、外から入ってくる光の量など全てを計算して、一人ひとりが最も心地よい状態に調整します」
ウインドウを閉めるときは、最後にフッとスピードが落ちて静かに閉まる工夫もされている。障子を丁寧に閉める仲居の感覚だという。
レクサスはこれら日本のおもてなしの心を具現化しているのだ。「レクサスはメード・イン・ジャパンです。私たちが世界に誇る日本を現しているブランドだと思います」。
「豊田章男社長からは『レクサスはとにかくブランドを作るんだ』と…」
次の10年はすでに始まっている。成瀬氏は「豊田章男社長から『レクサスはとにかくブランドを作るんだ』と言われています。だから勇気を持ってブランドの構築を進めていきたい。皆さんに『レクサスは感動や驚きを届けるブランドだよね』と言ってもらうことが、今後10年の最優先事項です」と言葉に力を込める。
これから挑むブランド作りは、さらに先にあるレクサスの「夢」にもつながる。「日本人が考えて、モノづくりの技術を生かして作ったクルマが、世界でプレミアムブランドとして認められることが私たちの『夢』です。そのためにはまず、母国で認められなくてはいけません。舶来志向の強い日本のマーケットに挑んできたこの10年は、壮大なチャレンジでした。私たちはまだまだ挑戦者です。販売店の皆さんと『一生懸命やっていれば夢はいつか叶うよね』と話しながら、次の10年を頑張っていきたいと思います。その中で、同じ日本人として応援して頂ければありがたいなと思います」。
この10年間で着実にファンを増やしてきたレクサス。もうじき発売する「RX」の新型車は、見た目の美しさでも私たちに「感動や驚き」を与えてくれるはずだ。次の10年でレクサスはどんなサプライズを見せてくれるのか-。今後の動向からますます目が離せない。