“空調のベンツ”と呼ばれる理由 ダイキン飛躍の原点は「中国での我慢の1年」 (2/4ページ)

2015.11.7 17:10

進出先の中国を視察するダイキン工業の井上礼之氏(左)と田谷野憲氏(右から2人目)=平成12年(同社提供)

進出先の中国を視察するダイキン工業の井上礼之氏(左)と田谷野憲氏(右から2人目)=平成12年(同社提供)【拡大】

  • 進出先の中国を視察するダイキン工業の井上礼之氏(左)と田谷野憲氏(右から2人目)=平成12年(同社提供)

 鎖国主義の転換

 国内販売の危機を受け井上氏が決断したのが海外への本格進出だった。それまで同社は進出企業に税の優遇などがあったベルギーやオーストラリアに拠点を構え、現地の代理店経由で商品を販売することはあったが、基本的には「海外市場はリスクが高い」と国内主義を貫いてきた。社内にはなお慎重論が根強いなか、井上氏は「海外には夜明け前の市場が広がっている」と押し切った。

 最初の進出先には中国を選んだ。ただ、巨大な人口を抱える市場には将来性を見越してすでに国内外の400社以上が進出。価格競争が激化し、消耗戦を強いられていた。

 未開の市場の開拓で指揮を任された田谷野憲氏(現副社長)は「最後発組が他社と同じ方法で進出しても失敗する」と他社とは異なる作戦に出た。

 低価格品を好む半面、「一流品」を求めるとされる中国人の気質を意識し、あえて高品質の高価格品を投入したのだ。さらに横並びの消耗戦に巻き込まれるのを避けるため現地の卸業者による販売網に頼らないと決め、独自の販売網構築に乗り出した。

手法は地道なローラー作戦だった。現地採用の中国人と日本人の営業マンが…

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