日本の航空機産業の成長には、安全性や性能などモノづくりの技術に加えて、販売やサービスというソフト面の能力も不可欠だ。
MRJの1機当たりの価格(90席タイプで約58億円)は、他社の同型機と比べてまだ高い。三菱航空機は開発と並行して、販売拡大につながるコスト削減を急ぐ。それは、苦い結果に終わった“日の丸航空機”YS-11の挫折から学んだ教訓の一つだ。
不明確な経営主体
42年前、戦後初の国産プロペラ旅客機「YS-11」が182機目を最後に生産を終了。販売不振で累積した赤字は360億円。三菱重工相談役の西岡喬は「赤字体質の原因は経営主体が不明確だったため」と振り返る。
YS-11は国を中心に三菱重工や富士重工業などが出資する「日本航空機製造(日航製)」が開発・販売。部品製造や組み立てを重工各社が分担する体制だった。