任天堂・君島氏「開発支える」裏方から社長に “超人”不在、試練の船出 (5/5ページ)

2015.12.18 06:18

 「来年3月にリリース(発売)いたします」

 発売延期の発表に失望が広がった。市場も反応し、任天堂のその日の株価は、前日終値比で8.97%も下落した。

 開発遅れを君島の責任にするのは酷かもしれない。しかしヒット商品を生み出せるかどうかで浮沈が決まるゲーム業界で、先頭を走ってきた任天堂の社長が開発経験のない君島に務まるのかとの懸念は根強い。ただ、ゲーム開発と経営では能力が違う。君島を不安視する声は岩田が両方を兼ね備えた超人だったからこそ出てきているともいえる。

 いま、君島は「新体制への評価は(売上高の約6割を占める)年末商戦の結果を見てもらえれば分かる」と語る。それは岩田が何度となく繰り返してきた発言でもある。

 「分相応」を教え込まれた元番頭は、社長にふさわしい新たな“分”を作り始めているのかもしれない。(敬称略)

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 ■番頭の教え

 ◆機能の見極めと人材配置が鍵

 カリスマ型企業を引き継ぐ経営のかじ取りは難しい。カリスマ型経営は、1人が何役も務める“カリスマ”あっての企業経営モデルであるからだ。カリスマ亡き後に残された道は、集団指導体制で乗り切るしかない。

 自社の置かれた環境を的確に把握し、さらなる成長に向けた必要な機能を見極め、それを果たすことができる-。そうした人材をいかに配置できるかが、成功の大きな鍵となる。(ビズグロー代表 杉村知哉)

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