両社に共通するのは、いずれも大阪で創業したが、他企業と業務提携(事実上の吸収合併)、フィットは「TSIホールディングス」(東京都港区)、遊心クリエイションは「日鉄住金物産」(同)の子会社で、親会社が「採算取れず」と見切ったことだ。
快進撃続ける“ナニワの雄”といわれたが…
遊心クリエイションは平成14年に森島純嗣前社長(26年退任)が設立、10年に住金物産(現日鉄住金物産)が株式35%を取得、14年11月には全株式を取得していた。現在の店舗数はSPA(製造小売業)業態の「イーブス」34店、レディス「グランデベーネ」7店、低価格雑貨業態の「アソコ」4店の合計45店となる。世間では低価格帯の「イーブス」や雑貨の「アソコ」が有名だ。
しかし、大手ファストファッションブランドがひしめく昨今。イーブスの衣料は、デザイン、価格ともに若干のパンチ不足は否めない。また、オープン当初は話題となったアソコも、今では集客率が悪い。いかんせん、“よく似た”業態は多数ある。どこかで差別化を図らなければ埋没するのは必然だろう。