個人的に愛用していたグランデベーネは、ほんの少し遊び心を加えたデザインながら、比較的手に取りやすい価格帯で重宝していた。オリジナル商品だけでなく国内外のブランドも取り扱うセレクトショップとしての機能もあるので、レアアイテムを手に入れることもできた。本当に残念だ。
25年3月、アソコのオープン時には「今後3年で国内50店舗の出店を計画している」としていたが、結局4店舗。20年にデビューしたイーブスも、SPA業態にしてはレディス・メンズ合わせて34店舗では生産性が悪い。収益性が低いとみて親会社が清算に踏み切ったというのも無理はないところだ。
規模は小さくとも…モノづくりスピリットの真髄
素朴な疑問がある。なぜアパレル業だけに専念しなかったのだろうか。服だけでは商売にならないということか。いい服を作ることより事業拡大が優先されたのか…。
フィットも遊心クリエイションも事業規模はそれほどではなかったものの、関西では存在感があった。そのためか店舗数は増え、全国に拡大していった。しかし、拡大路線が裏目に出たのか。吸収合併の形で大企業の傘下に入ったはいいが、業績不振で見限られることになった。