アサヒグループホールディングスが、欧州で2つの老舗ビールブランドの買収を検討していることが9日、分かった。対象はイタリアの「ペローニ」とオランダの「グロールシュ」で、来週末にも締め切られる入札に参加するとみられる。国内ビール市場の縮小が続く中、アサヒは海外市場の開拓を急いでおり、欧州2ブランドの買収により、手薄だった欧州事業の強化につなげる狙いだ。
アサヒのほか、スペインのビール大手マオウ・サンミゲルや、投資会社のKKRやシンベンなども買収に関心を示しており、買収総額は4千億円規模に達するとの見方も出ている。
ペローニは1846年、グロールシュは1615年に創業した老舗で、いずれもビール世界2位の英SABミラーが保有している。
SABミラーは昨年11月、ビール世界首位のベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)に買収されることが決まり、独占禁止法に抵触する恐れがある国・地域で資産売却を進めている。