レコード復活
こうした時代の荒波を乗り越えた先に待っていたのが昨今の世界的なアナログレコードの復活だ。当然、レコード針の売り上げも増え、会社全体の売上高の25%を占めるまでに回復し、主力商品に返り咲いた。
数年前、音楽のデジタル配信が隆盛となっていた米国で実店舗でCDやレコードの購入を呼びかける「レコード・ストア・デイ」が始まったことが転機となった。ポール・マッカートニーらが呼びかけたことで、多くの有名アーティストが参加。店舗限定のアナログレコード盤が発売されるようになったのだ。
全米約300店舗で始まったイベントが、欧州や日本など世界中に波及し、今では年1回、4月のイベントとして定着したことで、往年のファンに加えて、若い世代がレコードの魅力に触れる大きなきっかけとなっている。
国際的な音楽団体「IFPI」によると、ここ数年はアナログレコードの売上高は世界的に伸び、2014年の世界での売上高は前年比約55%増の約3億4700万ドル(約416億円)に達した。
仲川専務は「地道にものづくりを続けてきた。これからも流行には流されず、JICOのファンを増やしながら、文化としてのレコードの価値を高めていきたい」と力を込めた。