清水建設が手掛けるアストラタワー周辺の建設現場。経済成長に合わせて高層ビルが次々と建てられている=2015年12月、ジャカルタ市内【拡大】
ただ、そこから清水建設の対応は速かった。原設計を担当した企業から設計変更の業務を引き継ぐと、施工を進めながらの再設計という離れ業を展開。設計と施工を一手に引き受けたことで、コンサルタントを挟むと1カ月半はかかる調整作業を3週間で済ませ、工事の遅れをとどめた。
赤木工事長は「綱渡りの状況だったが、施主の要望に応えたい思いだった。信頼関係も強まった」と汗を拭う。
「ノー」を言わないきめ細かな対応は、清水建設の危機感の裏返しでもある。
ASEAN諸国は中間所得層の増加による内需拡大のほか、道路やビルといったインフラ投資が経済成長を押し上げる。インドネシアは13年の実質国内総生産(GDP)成長率が5.8%、16年も5%台の高成長が見込まれ、日系の大手ゼネコンの進出が相次ぐ。
清水建設は1975年に日本企業の現地社宅の建設に携わって以来、40年にわたり同国で事業を展開、外資系ホテルや日系企業の工業団地建設などの案件を手掛けてきた。ジャカルタ営業所の秋山耕平営業担当は「外資系企業など富裕オーナー層からは大きな信頼を得ている」と胸を張る。