清水建設が手掛けるアストラタワー周辺の建設現場。経済成長に合わせて高層ビルが次々と建てられている=2015年12月、ジャカルタ市内【拡大】
ただ最近は、風向きの変化も感じとっている。一昨年に就任した同国のジョコ・ウィドド大統領は、ユドヨノ前政権の掲げた首都インフラ重視の路線を一新し、地方重視を鮮明にする。結果、日本の政府開発援助(ODA)案件にも今後の受注に不透明感が増している。
成長市場ゆえの競争も厳しさを増してきた。昨年には高速鉄道の受注を土壇場で中国に奪われるなど、中国や韓国企業が同国での事業展開を加速させている。現地の建設業者も「高難度のプロジェクトでなければ十分な技術水準」(大石哲士ジャカルタ営業所長)にまで成長。高い技術力を誇る日系ゼネコンも、技術だけを売りに受注を勝ち取るのが容易でなくなってきている。
万全な作業員確保
こうした状況下、同国で40年の歴史を誇る清水建設も、実績にあぐらをかいていられない状況だ。熾烈(しれつ)な競争に勝ち抜くべく、他社との差別化が必須となった。MNCタワーで迅速な設計変更の原動力となった常駐の設計部隊はその一つだ。