--30周年を迎えるが
「社史はメディア技術の進歩に引っ張られてきた。昔は『昼寝の枕』や記念パーティーなどで配布されることから“まんじゅう本”などと揶揄(やゆ)されていたが、デジタルの比率が徐々に高まってきた。米エクソンモービルから『コンペに参加してほしい』と言われたときはびっくりした。5000本のUSBメモリーの納入を要請されたからだ。本が主流であることに変わりはないが、社内ネットに対応するため動画の注文が多く、専門の編集部で対応している」
--事業展開での強みは
「単行本の編集を手掛けた関係で、作家の堺屋太一さんとは約35年にわたる付き合いがある。通商白書を執筆した堺屋さんの考え方は『マクロをひもとくと一つ一つの企業と、一人一人の経営者に行き着く。その意味で社史の出版は意義深い』。直接指導を受けたことで、当社のビジネスに背骨ができたと認識している。それが武器になっている。また、品質ISOなどの認証を取得。顧客の信頼性向上につなげている」
--今後の取り組みは
「大手企業は社史を編纂(へんさん)するサイクルが長くなっている。一方、中小企業が目立ち、ここが業績の下支えになる。積極的に需要を取り込みたい。社史は終身雇用や新卒採用と並ぶ、日本固有の産業文化。ぜひ欧米に広げたい」(伊藤俊祐)
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【プロフィル】浅田厚志
あさだ・あつし 青山学院大学大学院修士課程修了。1984年出版文化社を個人創業し、86年8月に法人化。58歳。大阪府出身。
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【会社概要】出版文化社
▽本社=大阪市中央区久太郎町3-4-30 船場グランドンビル8階
▽資本金=6000万円
▽設立=1986年8月
▽社員数=85人(2015年6月時点)
▽売上高=7億3600万円(15年2月期)
▽事業内容=社史、記念誌の企画・編集