結婚費用を節約する人も増える中で、プロポーズ用など高額な花束のインターネット通販で業績を伸ばしているのが「マイスタリン」(大阪市中央区)だ。生花店で花を買うのは恥ずかしいと思う男性が多いことに気づいたのが創業のきっかけという。サイトでは、落ち着いた印象を与える黒色を多用し、花束を贈る際の作法なども詳しく解説。男性でも花束を利用しやすいように心掛けている。
◆日独で修業
社長の原直美さんは、短大で華道を学んでいた。しかし、短大卒業後にそのまま花の道に進んだわけではなく、民間企業に就職して事務職をしていたという。
ところが、転職先のフラワーデザイン会社で、美意識の高い女性らに出会って刺激を受けた。花に関連するビジネスを経営面から見たことで、花を生涯の仕事にする決意を固めた。
とはいえ、花をきれいに生ける人材は世の中にたくさんいる。原さんは差別化を図るため、フラワーデザインの理論などで主流となっているドイツに留学した。
原さんによると、ドイツの花束は日本よりも高いデザイン性を求められるという。華道文化が発達した日本では花束をばらして花を生けるが、ドイツは花束をそのまま花瓶に飾る。原さんは、ルネサンス、ロココなど各時代の花束の様式を学んだ。