ビール大手4社の平成27年12月期連結決算が15日、出そろった。ビールや缶酎ハイ、ウイスキーなどの好調により、サントリーホールディングス(HD)やアサヒグループHD、サッポロHDの3社が最終増益だった。一方、キリンHDは23年に買収したブラジル子会社の業績悪化による減損損失1100億円を計上したことで最終赤字となり、明暗を分けた。
キリンの磯崎功典社長は15日の決算会見で「生産工場やブラジルなどの海外事業で、従業員の配置転換を行うなど構造改革を進める」との考えを明らかにした。27年12月期はビール販売が21年ぶりに前年実績を上回り、本業のもうけを示す営業利益は前期比8・9%伸びた。構造改革でさらに収益力を高める考えだ。
一方、サントリーが15日発表した27年12月期連結決算は売上高、営業利益、経常利益がともに過去最高となった。ビーム社の買収効果に加え、国内外で清涼飲料の販売が好調で収益を押し上げた。
アサヒは酒類事業や東南アジアの飲料事業が好調で売上高、利益とも過去最高を更新した。28年12月期は4社全てが最終増益を見込む。