【高論卓説】シャープ売却は本当に国益を損ねる技術流出なのか… 経営者に求められる「リスクオン」 (2/4ページ)

2016.2.18 06:00

シャープ買収交渉で本社を訪れた後、Vサインで引き揚げる鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長=5日、大阪市阿倍野区のシャープ本社(宮沢宗士郎撮影)

シャープ買収交渉で本社を訪れた後、Vサインで引き揚げる鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長=5日、大阪市阿倍野区のシャープ本社(宮沢宗士郎撮影)【拡大】

  • シャープ本社=大阪市阿倍野区(柿平博文撮影)

 だが、本当にシャープには、流出したら国益を損ねるような高い技術があるのか。液晶技術は世界一だ、携帯電話向けカメラ部品の技術は他社を凌駕(りょうが)する-、そんな声が聞こえる。だが、それが真実ならシャープが今の惨状に陥ることはなかったはずだ。

 また、本当に日本の国益を損なうぐらい高度な技術だとすれば、他の日本企業が放っておかないはずだ。なぜ日本の会社はシャープ買収に手を挙げないのか。

 鴻海に対抗して買収提案しているのは日本の“官民ファンド”産業革新機構だ。3000億円規模での買収を打診しているという。機構は“官民”とは名ばかりで、出資金3000億円のうち民間が出しているのは僅か140億円だけ。全体の4.6%だ。しかも政府は1兆8000億円という巨額の保証枠も与えている。

 “官民ファンド”という名前からは、官民が共同してリスクを取り、支援先企業に投資をしていくというイメージがある。だが実態はどこの出資企業も機構への出資が「リスクオン」だとは考えていない。全て政府がリスクを背負ってくれると思っているのだ。

国民の税金をシャープという民間企業に投じるための口実にすぎない

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