総務省は7日、高速通信ができる衛星携帯電話の保有を医療機関に要請する方針を決めた。6月末にもガイドライン(指針)を作成する。指針には利用にたけた人材育成の拠点設置や教材作成も盛り込む。指針を受けて、平成29年度予算案で人材育成関連費用として数億円を要求する。
東日本大震災の発生時に、携帯電話や固定電話が不通となり、医療機関でさまざまな支障がでたことを踏まえ、非常用通信手段を確保する対策をとる。
総務省が昨年12月から今年1月末に岩手、宮城両県の医療機関を対象に実施した震災時の非常用通信手段のアンケートによると、103の医療機関のうち75機関が「利用に問題があった」と回答。また11機関は設備を「持っていたのに使えなかった」と回答した。
この結果を受けて総務省は、道路交通情報の地図データなど、容量の大きいデータを、災害時に医療機関や都道府県庁などでやり取りできるように、高速通信が可能な衛星携帯電話を保有するよう、大規模医療機関に要請することを決めた。
ただ、高速通信が可能な衛星携帯電話は、月額数十万円規模の利用料金がかかる。小規模な医療機関には、通話が可能な通信速度の衛星携帯電話の保有を要請する考えだ。