人力翻訳プラットホームのGengo最高経営責任者(CEO)のマシュー・ロメイン氏【拡大】
--そんなときのために、機械翻訳があるのでは
「機械翻訳は、例えば新聞記事が何について書かれているのか理解するということには役立ちますが、短文の翻訳には適しません。文脈が分かりにくいので、おかしな翻訳になるんです。ゲンゴは、ツイートのつぶやきを訳したり、時にはたった一語を訳したりするのにも使われています。人が訳すので、顧客が文章の背景を説明すれば、それを読んで理解したうえで翻訳に取りかかれます」
--ゲンゴでは、API利用が進んだことが成長の鍵だったとか
「はい。ウェブサイトにコピー&ペーストする発注方法も十分簡単だとは思いますが、オークションや通販サイトを運営している場合、APIを使って直接翻訳プラットホームとつなげてしまえば、もっと便利になると気付きました。通販サイトに新商品を掲載するとき、横のボタンを押せば、中国語にでも英語にでも、通販サイトが対応している全ての言語に翻訳できるので、ビジネス利用に最適です」
◆社員と方向性議論
--各国から社員が集まっているようですね
「ゲンゴの運用言語は基本的に英語なので、外国人のスタッフも多いです。エンジニアは、日本人6割、外国人4割ぐらいの構成です。チームには自主性を持たせています。本を買いたいとか、5000円の運用ツールが必要だとかいうときは、彼らの判断で購入できるようにしています。細かいことに公式の承認手続きを要求するよりこうしてチームに任せる方が、オペレーションコストをずっと低く抑えられます」
--昨年CTO(最高技術責任者)からCEO(最高経営責任者)に就任しました。社内の体制変更はどの会社にとっても難しく、スタートアップでは特に困難が伴うと思います。移行はどのように行ったのですか