日鉄住金建材、津波避難タワーの販売伸ばす “先兵”として役割期待 (2/3ページ)

2016.3.11 07:06

日鉄住金建材が東日本大震災の被災経験を基に開発した津波避難タワー=仙台市宮城野区

日鉄住金建材が東日本大震災の被災経験を基に開発した津波避難タワー=仙台市宮城野区【拡大】

 震災当日、仙台製造所で働いていた76人の社員は、協力会社の社員や近隣住民と敷地内にある高さ5メートルの築山へ避難し、そのまま夜を明かした。築山は1977年の工場建設時に余った土砂で造成したもので、以前から避難場所に指定していた。

 約1時間後に襲来した津波は2メートル下まで迫り、孤島状態になったが、外出していた工場長以外は生き延びることができた。本社が派遣した支援部隊の一員として、翌日の夜中に駆けつけた阿部所長は「製造設備は壊滅状態。がれきに交じり転がっていた車は車種が分からないほど潰れていた。よく助かったものだ」と被害のすさまじさを振り返る。このときの経験が、避難タワーの商品化を後押しした。

 仙台製造所は約60億円の損害を出したが、2012年5月には早くも全面復旧にこぎつけた。

その後2本の製造ラインを追加し、従業員は約100人に増えた

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