日立製作所によるイタリアの複合企業フィンメカニカ傘下の信号システム会社の株式公開買い付け(TOB)をめぐり、イタリア司法当局は16日、株価の不正操作の疑いなどがあるとして、フィンメカニカや日立の関係先の捜査に着手した。ANSA通信が報じた。
ANSAによると、信号システム会社アンサルドSTSのTOBをめぐり、STSの株主側から買い取り価格が不当に安いとの申し立てがあり、イタリア証券取引委員会が価格の見直しを求めていた。イタリア財務警察は16日、ローマのフィンメカニカ本社や北部ジェノバのSTS本社、南部ナポリの日立の関係先を捜索した。
日立は「あらゆる調査に全面的に協力する。進行中の法的な調査についてはコメントできない」との声明を発表した。(共同)