そこで目を付けたのがアニメ。以前受けたテレビ局の取材で動画が持つ優れた伝達力を理解していたからだ。しかもアニメは実写に比べシンプルで、表現の制限がない。それだけに商品・サービスの内容やコンセプトを分かりやすく明快に伝えられる。
ちょうどこのタイミングでインシンクと出会った。明治安田生命保険が東京で開催した14年7月の異業種交流会で、インシンクの慎祥允(しん・しょういん)社長がビジネスチャンスを求めてトッパン・フォームズの福嶋賢一常務と名刺交換。数日後に慎氏が上京し、末永氏らにアニメを紹介。末永氏は「タブレットで営業担当者がアニメで説明すれば、電子化ビジネスの知名度アップにつながる」と判断、14年8月に2本の動画制作を依頼した。
決め手は低コスト
決め手となったのが低コスト。「100万円以下になるとは思っていなかった」と末永氏が驚く約80万円で請け負った。トッパン・フォームズとも何度もやり取りし、こだわったナレーションを入れながら要求通りのストーリー展開を1分間という制約の中で実現。トッパン・フォームズは「アニメなのでテロップを入れられ、テンポもよくサービス内容をイメージしやすい」(米田奈美子Webビジネス本部販促部企画グループ主任)と評価。今後はアニメを他のサービスにも展開する方針だ。