九州電力川内原発の1号機(手前)と2号機=3月24日、鹿児島県薩摩川内市(共同通信社ヘリから)【拡大】
福岡高裁宮崎支部が6日、九州電力川内原発(鹿児島県)の運転差し止めを認めなかったことは、同様の訴訟を抱える全国の原発の再稼働に追い風になりそうだ。ただ、大津地裁が関西電力高浜原発(福井県)の運転差し止めを決めるなど司法判断は割れている。電力業界は司法判断で原発が動かせないリスクになお危機感を抱いており、情報共有などの対応を急いでいる。
大津地裁が3月、関電高浜原発の運転差し止めの仮処分を決定した際には「他の原発の再稼働にも影響を与える」(大手電力関係者)との懸念が強まっただけに、6日の福岡高裁宮崎支部の判断に電力業界では安堵(あんど)感が広がった。
原発が再稼働し需給が安定しなければ、電力小売りの全面自由化で期待される料金引き下げやサービスの向上といったメリットが薄まりかねない。
実際、関電は高浜原発の運転差し止めを受け、関西圏での安定供給を優先し、首都圏への越境販売を正式に決められないままだ。5月実施予定だった料金値下げは断念に追い込まれ、電力自由化の目玉としていた戦略が頓挫した。
運転差し止めを求める訴訟は、東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原発(新潟県)など電力各社が抱える。原子力規制委員会の安全審査を通っても、司法がどのような判断を下すか見通せない中、電力業界は訴訟関連の情報を共有する取り組みを強化しようとしている。