日本では短距離路線の旅客機の老朽化が進んでいる。ATRは、平成37年までに国内で100機の新たな需要があると見込み、パトリック・ド・カステルバジャック最高経営責任者(CEO)は「そのうちの7割の受注を獲得したい」と強気だ。昨年6月には日本エアコミューター(鹿児島県霧島市)から8機の受注を獲得している。
MRJとは、ジェットエンジンとプロペラエンジンで能力差は明らかだ。カステルバジャックCEOは「長い距離はMRJで、そこから先の短距離輸送は当社の旅客機を使えば、うまく補完できる」と述べ、共存は可能だとみる。
一方で課題もある。ATR関係者は「ジェット機よりもプロペラ機の方が安全性が低いというイメージを変えなければならない」と話す。納入実績を増やし、地域航空会社の信用を得る必要がある。
国内の地域航空会社は経営が厳しいところも多い。天草エアラインも赤字続きだったが、企業努力で黒字転換した。こうした努力が認められ、周辺自治体がATRの購入費を負担した経緯もある。赤字が続けば、路線が廃止される可能性もあり、それもリスクだ。
昨年末に鹿児島に補修品センターを立ち上げたが、日本市場の開拓にはサポートサービスを一層充実させる必要もある。(黄金崎元)